積算と見積精査:行政機関の情報システム調達における積算業務は妥協の産物か(1)

CIO補佐官が有するノウハウの多くは、自らの経験による暗黙知から成り立っています。私は現在までに省庁、都道府県、区市町村のCIO補佐官を経験させてもらっていますが、程度の違いや細かな差異はあるものの、案外同じような課題にチャレンジしているように感じています。
そこで、どの行政機関でも抱えているであろう課題について、なるべく客観的な考えを示すことで、この種の暗黙知を形式知化し、再利用可能にすることを考えています。当然、特定の行政機関に対する事柄は、その立場にいる方々が主体的に取り組めばよいだけの話ですので、この場で示すことはありません。若干抽象的ですが、どの行政機関にも(さらに言えば、どの組織においても)関連するような知見を残していくことができればよいでしょう。
まず手始めに、数回に渡って「情報システム調達における積算業務」について考えてみることにしましょう。

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